この週末は、絶好の花見日和でした。桜の花はもちろんのこと、菜の花の黄色や、ゆきやなぎの白と一緒に視界にはいると、さらに素敵な景色になり人の歩みを止めますね。そんな中を、ランニングしたり、ウオーキングしたりした方も多いのではないでしょうか。

今日は、これからの季節、タケノコの話題を少し。

世界に竹は1,200を超える種があり、日本には約230種の竹があるとされていますが、それらの約4分の3は、笹として認識している小さな種です。日本で大きくなる竹は少なく、モウソウチク、マダケ、ハチクという3種です。4月から5月にかけて、タケノコがぐんぐん伸びていきます。

「雨後の筍」という言葉がありますね。土壌中に水分が十分にあるとき、タケノコは猛烈な勢いで伸びていきます。かつて日本で測定されたタケノコの一日の伸びの最高記録は、モウソウチクで120センチとされていて、1時間に5センチ伸びていることになります。ただし、このような勢いでタケノコの先端が伸びるのは、高さが10メートルぐらいまで伸びた時なので、そう簡単には見れません。なぜ、このような伸び方が可能かというと、稈(かんと読み、竹の幹)の構造です。竹の稈は、中空で、60くらいの節があり、節のそれぞれはタケノコの間(稈に成熟する前)だけ、細胞分裂をし、各節の分裂は下の節から順番に活発になっていき、終えていくので、下から順に成熟した竹の部分ができていきます。最も多くの節が活発に細胞分裂するのが、10メートルくらいになった時で、1日120センチもの記録になったということです。タケノコを切った時の節の数が、竹になった時の節の数になります。

暮らしに身近な植物でこんな神秘的なところから、「かぐや姫」のような幻想的な物語が生まれたのかもしれません。

一昨日の雨に耐えた満開の桜も、残念ながら散る時がやってきます。その後は、ランニング練習の途中で竹やぶを見たら、タケノコの話を少し思い浮かべてもらえると嬉しいです。練習後に、春ならではのタケノコご飯やてんぷら、みそあえもいかがでしょうか。あっさりしすぎでしょうか。

ランニング記録はタケノコが成長するようにぐんぐん伸びなくても、ゆっくりと伸びていくといいですね。